精密部品の加工は素材によって問題点やポイントがあり、加工方法や使用する工具を間違えてしまうと、精度が劣ったり品質が低くなったりする可能性も否めません。素材別にどんな加工が適しているのか、どんな工具を使用するべきなのかを知り、最適な加工方法を検討してみましょう。
ステンレスのマシニング加工には、問題点がいくつかあります。まずはマシニング加工について、そしてステンレスについて、ステンレスのマシニング加工の問題点とポイントを見ていきましょう。
マシニング加工とは、マシニングセンタを使用して材料を切ったり削ったりする加工のことです。マシニングセンタは、切削工具の交換が自動でできる機能を兼ね備えていて、穴あけ・平面削りなどを1台で行える特徴があります。
以下が5つの大きな機能です。
ステンレスは、主成分を鉄としてクロムを10.5%以上含有している「合金」です。耐食性維持のため、不動態皮膜が形成されています。強度が高く耐食性・耐熱性に優れているのがステンレスの特徴です。
ステンレスのマシニング加工はステンレスの熱伝導の低さにより、加工時に発生する熱が伝わりづらく、低温の切りくずが加工品に付着してしまうことがあります。そのため工具の摩耗が比較的早いのが難点です。また熱が冷めにくい工具に溜まり、切粉が刃物に溶着することでチッピングの発生も考えられます。
そこで以下のポイントを抑えてマシニング加工を行うことが求められるでしょう。
1)超硬合金製の工具を使用する
加工する際に使用する工具は、耐熱性・耐摩耗性に優れたコーティング処理がされている物を使用することがポイントです。
2)水溶性のクーラントを使用する
ステンレスは熱伝導率が低いため、熱が留まって精度・工具に悪影響を与えます。そのため、水溶性のクーラント(切削油)を使用して冷却する必要があるのです。温度が下がることで、摩擦を減少させたり熱膨張を抑えたりできるので、加工精度を維持しやすくなります。
ステンレスのマシニング加工について理解したところで、もう1つ知っておきたいアルミのマシニング加工について見ていきます。
アルミニウムは、軽量・熱伝導率と加工性が高いという特徴があります。アルミニウムそのものは柔らかいので、硬度面に不安が発生するのが問題です。そのため、他の素材を混ぜてアルミニウム合金とし、強度を向上させることもあります。
アルミニウムのマシニング加工は、材料・形状・工具表面に注意した工具の選定が求められます。
1)適した刃物を使用し、ねじれ角を最適化する
アルミニウムには、耐摩耗性に優れているダイヤモンド工具が適しています。しかし、コスト面の利点が大きい高速度鋼工具を使用することも少なくありません。アルミニウムは柔らかい金属なので、鋭い刃先の刃物を使用するのが一般的です。
またアルミニウムのマシニング加工は、ねじれ角が45°の物を使用することで、工具と被削材の接地面積が少なくなるため、摩擦が小さくなるでしょう。
2)被削材をしっかりと固定する
被削材はバイス・治具などで移動しないように固定することが重要です。バイスは固定や清掃が簡単・切削油が使用できるというメリットがあります。対して、治具には異形状であっても保持できるというメリットがそれぞれあるため、どちらのメリットを選択するべきかをしっかり考える必要があります。
また、工具経路は材料に対し刃物を垂直に当てないという基本をしっかりと守ることを意識しなければなりません。
マシニング加工は、精密部品に使用する素材・材料によって問題点や注意点が異なります。それぞれの素材の特徴に合わせてポイントを押さえた加工が必要です。
ニシキ精機では精密部品の製作を請け負っております。高品質で高精度、かつ短納期が可能です。高品質な精密部品を製作したい、短納期で依頼できる業者を見つけたいというときはぜひ、ニシキ精機にご相談ください。最適な加工方法をご提案させていただきます。
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